引越しで冷蔵庫の電源はいつ抜く?
引越しの前日、冷蔵庫の前で手が止まります。電源をいつ抜けばいいのか調べるほど、出てくる数字がばらついて決められません。結局とりあえず早めに抜いておく、という進め方になりがちです。
先に結論を書きます。パナソニックは霜が溶けるまで15時間以上、三菱電機は1日程度かかることがあるとしています。午前から昼の搬出なら、どちらも前日には抜いておく計算になります。
数字がばらついて見えるのは、本体が壊れないかという話と、霜と水の処理が間に合うかという話が混ざっているからです。ひとつは冷蔵庫本体が壊れないか。日立は「電源プラグは移動直前に抜いても、冷蔵庫に問題はありません」としています。
もうひとつは霜を溶かして水を抜けるか。こちらはパナソニックが15時間以上かかるとし、三菱電機は1日程度かかることがあるとしています。
日立は理由を書き分けていませんが、日立の手順も水抜きを含むことから、本ガイドでは本体への影響を指すものとして整理しています。
日立は移動直前に抜いても冷蔵庫に問題はないとしており、本ガイドではこれを本体への影響として整理しています。ただし霜が溶けるまでの時間を示しているのはパナソニックと三菱電機で、どちらも運搬前に電源を抜いて霜を溶かすよう案内しています。その2社の数字で逆算すると、前日のうちに抜く計算になります。この分け方さえ押さえれば、自分の冷蔵庫でいつ抜けばよいか判断できます。
このページでは、日立・パナソニック・三菱電機が公開している記載をもとに、前日までの準備、水抜きの手順、運ぶときに避けること、新居に着いてから電源を入れ直すまでの時間を順に整理します。あわせて、当日その冷蔵庫を動かすために必要な新居の電気の手配についても触れます。
パナソニックは15時間以上、三菱電機は1日程度かかることも。これが「何時間前」の正体
パナソニックは、霜取りと排水についてこう説明しています。
冷蔵庫の冷却器は低温になるため、湿気を含んだ空気があたると霜がつきます。運搬・移動する前に、電源プラグを抜いて冷却器の霜を溶かしてください。なお電源プラグを抜いてから霜が溶けるまでには、15時間以上かかります(所要時間は季節や設置環境などにより異なります)。
三菱電機も「運搬前に、電源プラグを抜いて、冷却器の霜を溶かし、排水(蒸発皿内の水抜き)をしてください。電源を切ってから霜が溶けるまで1日程度かかることがあります」としています。一方で日立は、当社が確認した範囲では霜が溶けるまでの時間に触れていません。この3社で数字を出しているのはパナソニックと三菱電機で、その2社のあいだでも15時間以上と1日程度で開きがあります。
日立も、移動時間が長いときは「電源プラグを早めに抜き、全ての扉を開け放して庫内をしっかり乾燥させてください」と案内しています。こちらの理由は、温度差で結露が発生して雑菌臭の原因になる可能性があるためと説明されています。
霜取りと庫内の乾燥は別の話ですが、どちらも前日に抜いておけば同時に片づきます。
逆算のしかたは単純です。搬出が朝8時なら、15時間前は前日の17時、1日前なら前日の8時。
示された数字の差は9時間ですが、パナソニックは「15時間以上」、三菱電機は「1日程度かかることがあります」と、どちらも幅を持たせた書き方です。実際の差は9時間より広いことも狭いこともあります。自分の機種の取扱説明書を見るのが確実です。どちらでも足りるようにするなら、前日の朝には抜いておきます。
前日までにやること
段取りは逆算で組みます。食材を使い切ることと、製氷を止めることを先に始めておくと、前日の作業が短く済みます。 次の表のうち、電源を抜く時刻だけがメーカーの案内から逆算したもので、その直前の行もこの逆算に従います。ほかの時期は当社が段取りの目安として置いたものです。
| 時期 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 2週間前 | 冷凍室の在庫を数えて、使い切る計画を立てる | 買い足しを止める判断が遅れると、当日に食材が残ります |
| 3〜4日前 | 自動製氷を止める | 止めてから氷を使い切る時間をとります |
| 前日、電源を抜く直前 | 残った食材を出し切り、製氷室の氷と給水タンクの水を捨てる。日立は入れ替えの案内で、当日に動かす前の天面や側面のほこりの掃除と、動かした後の床や壁の掃除の用意も勧めています | 日立は入れ替えの案内で、水を捨てていないと運び出すときにこぼれるとしています |
| 前日の朝〜夕方(搬出時刻から逆算) | 電源プラグを抜き、扉を開けておく(日立は移動時間が長いとき全ての扉を開け放すよう案内) | 霜が溶けるまでパナソニックは15時間以上、三菱電機は1日程度かかることがある。両方に余裕をみるなら前日の朝。扉を開けるのは当社の段取りで、日立は移動時間が長いときの案内として扉の開放を示しています |
| 当日の朝 | 扉と電源コード(日立)、庫内の棚やトレイ(パナソニック)をテープで固定してから、水抜きをする | 倒す前に扉を留めます。順序は日立が公開している手順に合わせています |
三菱電機は、運搬のために電源プラグを抜くと冷却器から霜が溶け出して水がこぼれることがあるとしています。当日の朝に霜が残っていれば、その水が残ったまま運ぶことになります。運搬を業者に任せる場合も、どこまでを自分で準備するのかは見積もりの段階で確認しておくと確実です。
水抜きの手順
そもそもどこに水が貯まるのかというと、パナソニックは霜取りで溶けた水が排水経路を通って本体下部の蒸発皿(水受け皿)に貯まると説明しています。三菱電機も、冷却器に付いた霜を溶かしたときの水がここにたまっている場合があると説明しています。パナソニックは「運搬前に必ず排水をしてください」としています。
そのうえで押さえておきたいのは、排水の方法は機種によって違うことです。パナソニックは「排水方法は機種により異なります」としたうえで、400Lクラス以上・300Lクラス・100Lクラスの例を挙げており、三菱電機も「排水方法は機種によって異なります」として取扱説明書の確認を求めています。
ここでは日立が公開している運搬手順を例として並べますが、水を抜く工程はお使いの機種の取扱説明書に従ってください。
- 庫内の氷や水を捨てる(3社とも案内しています。三菱電機は自動製氷機能がある機種の話として給水タンク・製氷皿・貯氷箱を挙げています。パナソニックは洗える製氷皿の機種について製氷停止をしてから外すとし、洗えない機種は「製氷おそうじ」機能で氷を落とすとしています。捨てる氷は食材の保冷に使えるとも書いています)
- 電源プラグを抜く(日立は「電源プラグは移動直前に抜いても、冷蔵庫に問題はありません」としています。前日に抜いてある場合はこの工程は済んでいます)
- 脚カバーを外し、調節脚が床から離れるまで回す(パナソニックはローラーを使うときの説明で、調節脚は手で回すか一部機種のみに付属する専用工具で回すとしています)
- 扉と電源コードをテープで固定する。パナソニックは庫内の棚やトレイもテープで固定するよう案内しています。棚板が外れて割れるのを防ぐためです
- 床の傷や水濡れを防ぐため、冷蔵庫の下に保護用のシートや布を敷く。パナソニックは「排水をしても蒸発皿に水が残っていることがあるため、運搬する際は通路に保護シートなどを敷いてください」としています
- 本体にたまった水を抜く。日立は「冷蔵庫の下に布などを敷き、冷蔵庫を後方に倒して背面下部より水抜きをします」としています。日立は入れ替えの案内で「機種によっては水抜き栓がついていますので、倒す前に取りはずしてください」とも書いています。パナソニックは「排水方法は機種により異なります」として、次の例を挙げています
- 400Lクラス以上は、背面下部の排水口の下に高さ2cm以下の容器を置き、本体を後方に傾けて排水口から抜く。重量があるため2人以上で作業する
- 300Lクラスは、背面下部の排水口の下に高さ3cm以下の容器を置き、排水栓を外す。排水口奥の膜をドライバーなどで強く突き破ると排水される。排水後は排水栓を必ず閉める(以降は排水栓を外すと水が出るようになります)
- 100Lクラスは、ドライバーで左右の固定ネジを外し、蒸発皿を少し手前に持ち上げて引き抜く(まっすぐ引くと排水口に当たります。水が多いときは先に乾いた布で吸い取ります)。パナソニックはこの手順に「圧縮機や配管でやけどをしないようにご注意ください」と注意を添えています
- 庫内がまだ濡れている場合は、乾いたふきんで水滴を拭き取る
- 運搬用取っ手を持ち、2人以上で運ぶ。パナソニックは、手がすべってけがをするおそれがあるとして2名以上で運ぶよう案内しており、事前に質量を品質表示ラベル(冷蔵室内のドア内側など)か取扱説明書で確認するよう求めています
持ち上げられないときの手段もあります。パナソニックの一部機種は本体底面の四隅に樹脂製ローラーが4個あり、脚カバーを外して調節脚を上げ、ローラーを床に接地させれば引き出せます(前後にだけ動きます)。パナソニックはローラーを使うときも保護シートを敷くことを勧めています。調節脚は1回転で約1mm動くとされています。
日立は、大型のフレンチドア(両開き)で調節脚が回しにくい場合に専用工具を使うよう案内しており、機種によっては付属しています。付属していない場合は、購入した販売店か、お近くの日立のお店で購入(お取り寄せ)できるとしています。
運ぶとき、横積みだけは避ける
3社が揃って禁止しているのが、横に倒したまま積むことです。理由と、してしまった場合の扱いは次のように説明されています。
- 日立は、冷蔵庫は縦方向の衝撃には強くても横からの衝撃に弱いとしています
- 日立は、横積み運搬に耐えられる梱包になっていないため、傷やへこみ、配管の変形・破損が生じうるとしています
- 日立は、横積み後に冷気が出ない・運転音に異常があるといった不具合が出た場合はすぐに使用をやめ、販売店か修理受付窓口へ点検を依頼するよう案内しており、その点検・修理は有償としています(他社の修理条件は各社にご確認ください)
- パナソニックは別の理由も挙げていて、車の振動で圧縮機内のオイルが冷却システムに流れ込み、故障につながるおそれがあるとしています
- 三菱電機は、横にするとコンプレッサーの位置ずれが起こり、騒音や周囲の銅配管の折損につながるとしています
ただし日立は「搬入や引っ越し、模様替えのときなどに一時的に横にして運ぶことは問題ありません」、パナソニックも「搬入や搬出時など、一時的に横にして運んでいただく程度は問題ありません」としています。
三菱電機は「設置場所への移動など、短い距離での搬入のときに一時的に横にする場合は問題ありません」で、3社のなかでは許容の幅がいちばん狭い書き方です。玄関や階段で一時的に横にすることと、トラックに横倒しで積んで走ることは別の話です。
そして、縦に置くだけでは足りません。パナソニックは「車で移動する場合は冷蔵庫は横積みにせず、必ず立てた状態でロープなどでしっかりと固定してください」、三菱電機も「運搬の際には横積みにせず、必ず立てた状態でしっかりと固定してください」としています。走行中に倒れれば横積みと変わりません。
自分で運ぶ場合、軽自動車やワゴンに横積みしたくなる場面が出てきます。そこが分かれ目になるため、積み方と固定の方法を先に決めてから車を手配してください。
新居に着いてから、電源を入れるまでと冷えるまで
ここは、待ち時間の数字がもっとも混ざりやすい箇所です。電源を入れるまでの待ち時間と、庫内が冷えるまでの時間は別のもので、メーカーはそれぞれ別の数字を出しています。
電源を入れるまでの待ち時間は、メーカーによって案内が違います。パナソニックは運搬・移動のページで「設置後すぐに電源を入れても問題ありません。ただし、一度電源を入れてから電源プラグを抜いたときは、次に電源プラグを差し込むまでに約7分ほど待ってください(故障の原因になります)」としています。
三菱電機は据付後についての回答として「設置後、すぐに電源プラグをコンセントに差してください。すぐに電源を入れても機械を傷めることはありません」としています。
日立も、据え付けの場面では「設置後、すぐに電源プラグを差し込んでいただいても問題ありません」としています。ただし「移動などで、電源プラグを抜いた後に挿し込む場合は、コンプレッサー保護のため、設置後10分以上経過してから電源プラグを挿し込んでください」という条件付きの注意があり、引越しはこちらに当たります。
日立は、差し込んでも保護装置の働きですぐには運転を始めず、7〜10分後に動き出すことがあるとも書いています。差した直後に静かでも、故障とは限りません。
パナソニックは、電源を入れ直すときの別ページで場面を分けています。お手入れや模様替えで冷蔵庫を移動させるために抜いたときは7分ほど待つ。一方で「引っ越しなど新しい環境で使うときは」という項を立て、設置後すぐでよいとしたうえで「ただし、設置後に一度電源を入れてから電源プラグを抜いたときは、次に電源プラグを差し込むまでに7分ほどお待ちください」としています。パナソニックは2つのページで条件の書き方が違い、運搬・移動のページの「一度電源を入れてから電源プラグを抜いたとき」を字義どおり読むと、旧居で使っていた冷蔵庫は7分を待つ側に入ります。
整理すると、引越しの場面で無条件の下限を示しているのは、日立(設置後10分以上)だけです。パナソニックは引越しなら設置後すぐでよいとしていますが、運搬・移動のページの書き方は7分側にも読めます。設置してから10分以上置けば、日立の指定も、7分側に読んだ場合のパナソニックも満たせます。三菱電機は同じ回答で運搬時の注意も示したうえで、据付後はより早く冷やすためすぐ差すよう勧めています。電源プラグを抜いた後に差し直すまでの待ち時間は示していません。取扱説明書に指定があればそれに従ってください。数字の違いに悩むより、この10分を新居での荷ほどきに充てるほうが確実です。なお、パナソニックが電源を入れ直すときのページで「7分間庫内に冷気が流れなくても、ドアを開閉しなければ冷気は外へ逃げないため、食品が急激に劣化することはほとんどありません」としているのは、お手入れや模様替えで7分だけ抜く場面についてです。引越しのように長時間止めたあとは庫内に保つべき冷気がないので、この説明は当てはまりません。
庫内が十分に冷えるまでの目安は、日立が定格内容積400リットル以上で約4時間、400リットル以下の一部機種で約10時間。パナソニックは運搬・移動のページで、庫内が冷えるまで4〜24時間以上(夏季など)としています。
日立は夏の高温期に24時間以上かかる場合があることにも触れており、あわせて「冷蔵庫内の温度が変化していても、約1時間程度ではそれが体感できない場合がありますが、故障ではありませんのでご安心ください」としています。日立は2018年以降の一部機種について、各室を段階的に冷やすため一部があまり冷えていないように感じても故障ではないとも書いています。あわせて、機種を問わず、早く冷やしたいときは購入時の「標準」から[冷蔵][冷凍]ボタンで「チルド」や「強め」に設定するよう案内しています(設定項目の名称は機種によって異なるとしています)。
食材を戻すタイミングは、冷蔵室と冷凍室で分けて考えます。パナソニックは新しい冷蔵庫についての案内で「食材にもよりますが、冷蔵室や野菜室には設置後すぐに入れても問題ありません」とし、冷凍室に保存する食材は庫内が十分に冷えてから入れるよう案内しています。パナソニックは新しい冷蔵庫のページで「庫内が十分冷えるまでは、アイスボックスなどで一時的に保存してください」としていますが、運搬・移動のページでは「冷凍食品は、クーラーボックスでの保存が難しいためご注意ください」とも書いています。2ページで書き方が違うため、本ガイドでは長時間の持ち越しは避ける前提で整理しています。
パナソニックは新しい冷蔵庫についての案内で、自動製氷機は庫内が十分に冷えてから動作するとしています。到着当日に氷ができていなくても、故障とは限りません。
その日、新居に電気は来ていますか
ここまでの段取りは、コンセントに電気が来ていることが前提です。冷蔵庫を運び込んで水平に置き、電源を差しても、電気が通っていなければ冷えません。置き場所についてパナソニックは、丈夫で水平な床面であることを確認したうえで「必ず放熱スペースの確保をお願いします」としています。必要なスペースはパナソニックの別ページで案内されています。
あわせて、パナソニックは「電源は、交流100V定格15A以上のコンセントを単独で使ってください」としています。新居のどのコンセントに置くかも、内見の段階で見ておくと当日に迷いません。
入居してブレーカーを上げると、電気が使えることがあります。ただし通電していることと、使用開始の申込が済んでいることは別です。引越し当日に冷蔵庫を動かし、そのまま使い続けるなら、新居の電気の使用開始をあらかじめ申し込んでおきます。
旧居側にも見落としがちな点があります。電気の使用停止日を引越し日より前に設定してしまうと、その日から冷蔵庫が使えません。停止日は搬出が終わる日に合わせます。
| 場面 | 冷蔵庫への影響 | 合わせ方 |
|---|---|---|
| 旧居の電気を止める日 | 止めた時点で冷蔵庫は動かなくなります | 搬出が終わる日に合わせます |
| 新居の電気の使用開始 | 開通していないと冷えません | 引越し日から使えるよう事前に申し込みます |
| ブレーカーだけ上げた状態 | 一時的に通電することがあります | 使用開始の申込は別途必要です |
電気の使用開始・使用停止の申込先と手順、当日の申込に対応できるかどうかは、電気の引越し手続きガイドにまとめています。電力会社ごとの窓口と受付時間は電力会社別の引越し手続きから確認できます。
50Hzと60Hzをまたぐ引越しでも使えるか
東日本と西日本では電源周波数が違います。パナソニックの説明では、静岡県の富士川から新潟県の糸魚川あたりを境に、東が50Hz、西側が60Hzで、一部に混在地域があります。この境をまたぐ引越しで、冷蔵庫が使えるのかは気になるところです。
冷蔵庫については、パナソニックは「引っ越しなどの際、冷蔵庫のヘルツ交換は必要ありません」と案内しています(NR-V750のみ交換が必要)。ヘルツフリーの商品のため、50Hz・60Hzのどちらの地域でも使えるという説明です。
冷蔵庫以外の家電については、この案内は当てはまりません。パナソニックは同じページで「モーターやトランスなどの部品を使用している家電製品は、どちらかの周波数を基準にしていることもあるため、注意が必要です」としています。持っていく家電の取扱説明書か、その機器のメーカーの案内で確認してください。
パナソニックはドラム式に「輸送用固定ボルト」を求めている
洗濯機も、給水ホース、排水ホース、本体内部に水が残ります。運ぶ前に抜いておく必要があるので、冷蔵庫の準備とまとめて段取りしておくと当日が楽になります。抜き方は機種によって違うので、取扱説明書を確認してください。
ドラム式で見落としやすいのが、輸送用の固定ボルトです。パナソニックは「転居や移設など、ドラム式洗濯乾燥機を移動させる場合は、必ず『輸送用固定ボルト』で洗濯槽を固定してください。洗濯槽を固定せずに運ぶと、移動中の振動で洗濯機が故障する可能性があります」としています。
パナソニックが公開している品番は、レギュラードラム用(NA-LX/SD/VX/VG/VT/VR/Vシリーズ)が AXW090EABW00 で必要個数2個、プチドラム用(NA-VH/VDシリーズ)が AXW90E-8CT0 で3個です。プチドラム用は部品の供給が終了しています。
固定ボルトの在庫と購入は本体品番を伝えて販売店に相談する案内で、スパナはパナソニックの公式通販サイトでも購入できるとしています。取り付け・取り外しも販売店か業者に依頼するよう書かれています。
購入時に取り外して保管したまま、引越しで見当たらないことがあります。運搬を依頼するときは、見積もりの段階でドラム式であることを伝え、固定ボルトが手元にあるかもあわせて確認しておくと当日に慌てません。
使い切れなかった食材と、冷蔵庫が止まっている時間
計画どおりに使い切れないことのほうが多いはずです。当日の朝に何が残っているかで、持っていくか、処分するかを決めます。
判断の分かれ目は、冷蔵庫が止まっている時間です。前日の朝に電源を抜き、翌日の昼に設置して電源を入れたとすると、冷凍室が使えるのは早くてもその日の夕方、機種や室温によっては翌日にずれ込みます。
前日の朝8時に抜き、翌日の昼12時に設置したとすると、そこから冷凍室が使えるまで最短4時間(パナソニックが示す4〜24時間以上の下限)として、止まっている時間はおよそ32時間です。前日の夕方17時に抜いた場合でも23時間ほど。長距離ならもう1日ぶん延びます。
パナソニックは運搬・移動のページで、冷蔵庫内の食品は空にし、使いきれない場合はクーラーボックスなどに保冷剤を入れて一時的に保存するよう案内しています。
ただし同じ箇所で「長時間の温度維持は期待できません」「冷凍食品は、クーラーボックスでの保存が難しいためご注意ください」とも書いています。溶けた冷凍食品を再び凍らせると風味やおいしさを損なうことがある、とも添えています。
日立も、食べきれなかった食品のために保冷剤・クーラーボックス・発泡スチロールなどを用意しておくよう案内しています。
ただしこちらは買い替えの案内で、食品が外に出るのは、新しい冷蔵庫が届く当日から、冷えて使えるようになるまでのあいだです。引越しでは前日に電源を抜いた時点から外に出るので、同じ用意でも持たせる時間が長くなります。
ここが判断の分かれ目です。食材がクーラーボックスに入っている時間は、冷蔵庫が止まっている時間とほぼ同じ長さになります。
移動そのものが短くても、前日に冷蔵庫から出した食材は、翌日に庫内が冷えるまで外に置かれたままです。基準は移動時間ではなく、この止まっている時間の長さになります。次の表の時間区分は当社が整理したもので、メーカーが示した区切りではありません。
| 冷蔵庫が止まる時間 | 冷凍品の扱い | 冷蔵品の扱い |
|---|---|---|
| 23〜32時間程度(前日に抜き翌日搬入。冷凍室が使えるまで最短4時間として計算。パナソニックは冷凍室に入れるのは庫内が十分に冷えてからとし、冷えるまでを4〜24時間以上としているため、その下限を採りました。機種・室温によってはさらに延びます) | パナソニックは冷凍食品のクーラーボックス保存は難しいとしています。この時間帯は持ち越さず、使い切るか処分するのが確実です | 保冷剤を入れたクーラーボックスで運べますが、パナソニックは長時間の温度維持は期待できないとしています。23〜32時間をそのまま持たせる前提にはしないでください |
| 2日以上(長距離・搬入が翌々日になる場合) | 持ち越さず、使い切るか処分します | 調味料など常温で保つものだけ残します |
| 数日(一時保管を挟む) | 持ち越しません | 持ち越しません |
生鮮品を運んでもらえるかどうかは、業者や条件によって変わります。荷台の温度管理ができるかは業者や車両によって違うため、扱いを見積もりの段階で確認しておくと確実です。冷凍品は自分の車で運ぶ前提で考えておくと、当日の判断が減ります。
未開封の調味料や缶詰など、常温で問題ないものは荷物としてまとめます。開封済みの調味料は、量と移動時間を見て判断してください。
段取りのまとめ
冷蔵庫の準備でつまずくのは、たいてい「何時間前」という数字の解釈です。本体の話と霜の話を分ければ迷いません。
- 霜が溶けるまでパナソニックは15時間以上、三菱電機は1日程度かかることがある。両方に余裕をみるなら前日の朝に抜きます
- 日立は移動直前に抜いても冷蔵庫に問題はないとしています。理由は書き分けられていないため、本ガイドでは本体への影響として整理しています
- 新居で電源を入れるまでの待ち時間は、日立が設置後10分以上を指定。パナソニックは引越しなら設置後すぐでよいとしていますが、運搬・移動のページの書き方は7分側にも読めます。三菱電機は据付後について早く冷やすためすぐ差すよう勧めており、抜いた後に差し直す場合には触れていません。迷うなら設置後10分以上置きます
- 庫内が冷えるまでは、日立が約4時間(400L以上)か約10時間(400L以下の一部機種)、パナソニックが運搬・移動のページで4〜24時間以上。食材についてはパナソニックが新しい冷蔵庫について、食材にもよるとしたうえで冷蔵室・野菜室には設置後すぐ入れてよいとしています
- 横積みを避けるだけでなく、立てた状態で固定します(パナソニックはロープなどでの固定を挙げています)。一時的に横にする程度は3社とも問題ないとしていますが、許容の幅は各社で違います(三菱電機は短い距離での搬入に限定)
- 冷凍品は、止まっている時間が23〜32時間(前日に抜き翌日搬入・冷凍室が使えるまで最短4時間として計算)になるため、持ち越さない前提で考えます。パナソニックは冷凍食品のクーラーボックス保存を難しいとしており、別ページでは庫内が冷えるまでのアイスボックス保存も案内しています
- その日に冷蔵庫を動かすには、新居の電気が開通している必要があります
よくある質問
冷蔵庫の電源は引越しの何時間前に抜けばいい?
パナソニックは「電源プラグを抜いてから霜が溶けるまでには、15時間以上かかります」、三菱電機は「電源を切ってから霜が溶けるまで1日程度かかることがあります」と案内しています。搬出が朝8時なら、15時間前は前日の17時、1日前なら前日の8時です。2社の案内には開きがあるので取扱説明書を確認し、どちらでも足りるようにするなら前日の朝に抜いておきます。一方で日立は自社の冷蔵庫について「電源プラグは移動直前に抜いても、冷蔵庫に問題はありません」としています。ただし日立も、移動時間が長いときは電源プラグを早めに抜き、全ての扉を開け放して庫内を乾燥させるよう案内しています。日立の書き方は「冷蔵庫に問題はありません」で、当社が確認した範囲では霜を溶かして水を抜く時間に触れていません。本体への影響と霜・水の処理という軸分けは本ガイドの整理です。
新居に着いたらすぐ電源を入れていい?
メーカーによって案内が分かれます。日立は据え付け自体は「設置後、すぐに電源プラグを差し込んでいただいても問題ありません」ですが、「移動などで、電源プラグを抜いた後に挿し込む場合は、コンプレッサー保護のため、設置後10分以上経過してから電源プラグを挿し込んでください」という条件付きの注意があり、引越しはこちらに当たります。差し込んでも保護装置の働きで7〜10分後に運転を始めることがあるとも書いており、直後に静かでも故障とは限りません。パナソニックは運搬・移動のページで「設置後すぐに電源を入れても問題ありません。ただし、一度電源を入れてから電源プラグを抜いたときは、次に電源プラグを差し込むまでに約7分ほど待ってください(故障の原因になります)」としています。別ページでは場面を分け、引っ越しなら設置後すぐでよいとしていますが、運搬・移動のページには「設置後に」が付かないため、字義どおり読むと旧居で使っていた冷蔵庫は7分を待つ側に入ります。この読み分けは本ガイドの整理です。三菱電機は据付後についての回答として「設置後、すぐに電源プラグをコンセントに差してください」とし、抜いた後に差し直すまでの待ち時間は示していません。設置してから10分以上置けば、日立の指定も、7分側に読んだ場合のパナソニックも満たせます。なお、メーカーが数時間という単位で案内しているのは庫内が冷えるまでの時間で、電源を入れるまでの待ち時間とは別です。
食材はいつから入れられる?
パナソニックは新しい冷蔵庫についての案内で「食材にもよりますが、冷蔵室や野菜室には設置後すぐに入れても問題ありません」とし、冷凍室に保存する食材は庫内が十分に冷えてから入れるよう案内しています。十分に冷えるまでの目安は、パナソニックが運搬・移動のページで4〜24時間以上(夏季など)、日立が設置後について定格内容積400リットル以上で約4時間、400リットル以下の一部機種で約10時間としています。パナソニックは新しい冷蔵庫のページで「庫内が十分冷えるまでは、アイスボックスなどで一時的に保存してください」としていますが、運搬・移動のページでは「冷凍食品は、クーラーボックスでの保存が難しいためご注意ください」とも書いています。2ページで書き方が違うため、本ガイドでは長時間の持ち越しを避ける前提で整理しています。
冷蔵庫を横にして運んでも大丈夫?
パナソニックと三菱電機は、必ず立てた状態でしっかり固定するよう案内しており、縦に置くだけでは足りません。日立は、搬入や引っ越し、模様替えのときなどに一時的に横にして運ぶことは問題ないとしたうえで、横積み運搬は禁止としています。パナソニックも搬入・搬出時など一時的に横にして運ぶ程度は問題ないとしており、三菱電機は設置場所への移動など短い距離での搬入に限って認めています(3社のなかで幅がいちばん狭い書き方です)。日立は、冷蔵庫は縦方向の衝撃には強くても横からの衝撃に弱く、横積みに耐える梱包にもなっていないためとしており、傷やへこみ、配管の変形・破損が起こりうるからです。横積み後に冷気が出ない・運転音に異常があるといった不具合が出た場合、すぐに使用を中止して販売店か修理受付窓口へ点検を依頼するよう日立は案内しており、その際の点検・修理は有償としています(他社の修理条件は各社にご確認ください)。
電源を抜くのが直前になってしまったら?
日立は自社の冷蔵庫について「電源プラグは移動直前に抜いても、冷蔵庫に問題はありません」としています。ただしパナソニックと三菱電機は、運搬前に電源を抜いて霜を溶かすよう案内しているため、直前に抜くとこの案内には沿いません。時間が取れなかった場合に問題になるのは霜と水で、三菱電機は、運搬のために電源プラグを抜くと冷却器から霜が溶け出して水がこぼれることがあるとして、運搬前に霜を溶かして排水するよう案内しています。パナソニックは、排水をしても蒸発皿に水が残っていることがあるとして、運搬時に通路へ保護シートを敷くよう案内しています。日立は庫内が濡れているときは乾いたふきんなどで水滴をふき取るよう案内しています。なお日立は、移動時間が長いときは運搬前に電源プラグを早めに抜き、全ての扉を開け放して庫内を乾燥させるよう案内しています。
引越し先が50Hzと60Hzで違う地域でも冷蔵庫は使える?
パナソニックは「引っ越しなどの際、冷蔵庫のヘルツ交換は必要ありません」と案内しています(NR-V750のみ交換が必要)。パナソニックの説明では、静岡県の富士川から新潟県の糸魚川あたりを境に東が50Hz、西側が60Hzで、一部混在地域があります。ただしパナソニックは、モーターやトランスなどの部品を使用している家電製品はどちらかの周波数を基準にしていることもあるため注意が必要、とも書いています。冷蔵庫以外は取扱説明書やメーカーの案内をご確認ください。
新居で電気の手続きをしていないと冷蔵庫は動かない?
コンセントに電気が来ていなければ冷蔵庫は冷えません。入居してブレーカーを上げると電気が使えることがありますが、通電していることと、使用開始の申込が済んでいることは別です。引越し当日に冷蔵庫を動かし、そのまま使い続けるなら、新居の電気の使用開始をあらかじめ申し込んでおいてください。手順は電気の引越し手続きガイドにまとめています。
洗濯機も冷蔵庫と同じ日に準備しますか?
洗濯機については、メーカーが前日から電源を抜くよう案内している記載を当社では確認していません。当社の段取りとしては当日の朝で間に合います。ただし給水ホースと排水ホース、本体内部に水が残るため、運ぶ前に抜いておく作業自体は必要です。手順は機種によって違うので取扱説明書を確認してください。ドラム式で見落としやすいのが輸送用の固定ボルトで、パナソニックは「転居や移設など、ドラム式洗濯乾燥機を移動させる場合は、必ず『輸送用固定ボルト』で洗濯槽を固定してください」としています。パナソニックの品番はレギュラードラム用 AXW090EABW00(2個・NA-LX/SD/VX/VG/VT/VR/Vシリーズ)、プチドラム用 AXW90E-8CT0(3個・NA-VH/VDシリーズ)で、プチドラム用は部品の供給が終了しています。ボルトを回すスパナは品番 AXW526-8RT0 で、2012年発売の NA-VX8200 シリーズまでに付属していた型の後継品です。取り付け・取り外しは販売店か業者への依頼が案内されています。
本ガイドの根拠と最終確認
本ガイドの数値と手順は、以下のメーカー公式の案内を基に編集しています。新居と旧居の電気の手配についての記載、洗濯機の段取り、時期の区切り、「本体への影響」と「霜・水の処理」という2つの軸の分け方、パナソニックの2ページの書き方の読み比べ、3社の許容範囲の広狭の比較、および業者への確認事項は、当社が引越しの手続き案内として整理したもので、メーカーの出典によるものではありません。冷える時間や待ち時間は機種・容量・室温によって変わり、調節脚の形状や蒸発皿の位置も機種ごとに異なります。作業の前に、お使いの機種の取扱説明書をあわせてご確認ください。
- 日立「引っ越しなど冷蔵庫を運搬するときの注意点が知りたいです。」(2026年9月9日確認)参照箇所:運搬手順・電源プラグを抜くタイミング・移動時間が長いときの扉の開放と乾燥・専用工具の取り寄せ・庫内の拭き取り
- 日立「設置してから、どのくらいで電源を入れれば良いですか?」(2026年9月9日確認)参照箇所:設置後10分以上(移動で抜いた後の条件)・差し込んでも7〜10分後に運転を始めることがある
- 日立「冷蔵庫の横積み運搬は、なぜ禁止なのですか?」(2026年9月9日確認)参照箇所:横積みを避ける理由(縦横の衝撃差・梱包)・不具合時は使用を中止して点検を依頼・有償修理・一時的に横にして運ぶのは問題ない
- 日立「設置後に、冷蔵庫が冷えるまでどのくらい時間がかかりますか?」(2026年9月9日確認)参照箇所:容量別の目安・夏の高温期は24時間以上かかる場合がある・約1時間では温度変化を体感できないことがある・冷やす順番・早く冷やしたいときの設定
- 日立「新しい冷蔵庫に入れ替えるときの事前準備を知りたいです。」(2026年9月10日確認)参照箇所:給水タンクの水と製氷室の氷を捨てる・保冷剤やクーラーボックス・発泡スチロールの用意・水抜き栓は倒す前に取りはずす・動かす前後の掃除
- パナソニック「冷蔵庫を運搬・移動するときの注意点」(2026年9月10日確認)参照箇所:食品を空にする・使いきれない分はクーラーボックスに保冷剤(長時間の温度維持は期待できない・冷凍食品は保存が難しい)・製氷停止と氷の処理(氷は保冷に使える)・霜が溶けるまで15時間以上・排水方法とクラス別の手順・通路に保護シート・棚とトレイの固定・質量の確認と樹脂製ローラー・立てた状態でロープ固定・横積みでオイルが流れ込む理由と一時的に横にする程度は問題ない旨・設置場所(丈夫で水平な床面・放熱スペース)・電源は交流100V定格15A以上を単独で・設置後の電源・庫内が冷えるまで4〜24時間以上
- パナソニック「冷蔵庫の電源を入れ直すときに注意することは」(2026年9月10日確認)参照箇所:お手入れ・模様替えでの移動は7分とその間の食品への影響・「引っ越しなど新しい環境で使うときは」設置後すぐでよい(設置後に一度入れてから抜いたときは7分)
- パナソニック「新しい冷蔵庫が冷えるまでの時間は」(2026年9月10日確認)参照箇所:新しい冷蔵庫の使い始めは4〜24時間以上・冷蔵室と冷凍室の違い・冷えるまではアイスボックスで一時保存・自動製氷機は庫内が冷えてから動作
- パナソニック「【ドラム式洗濯機】固定ボルトを購入したい」(2026年9月10日確認)参照箇所:輸送用固定ボルトの品番・対応シリーズ・必要個数・供給終了・付属スパナの品番・取り付けの依頼先
- 三菱電機「冷蔵庫の引っ越し準備と注意点」(2026年9月10日確認)(2020年3月公開のコラム)参照箇所:霜が溶けるまで1日程度かかることがある・電源プラグを抜くと霜が溶け出して水がこぼれることがある・蒸発皿の水抜き・排水方法は機種によって異なる・自動製氷機能がある機種の給水タンクと製氷皿と貯氷箱・立てた状態で固定・横積みの禁止
- 三菱電機「据付後、電源はいつ入れたらよいの?すぐに入れても問題ありませんか?」(2026年9月10日確認)参照箇所:設置後すぐ差してよい(より早く冷やすため)・横積みでコンプレッサーの位置ずれと銅配管の折損・短い距離での搬入なら一時的に横にしてよい
- パナソニック「冷蔵庫はヘルツ交換が必要か」(2026年9月10日確認)参照箇所:ヘルツフリー・NR-V750・50/60Hzの境
引越し時の電気・ガス・水道 開通受付
引越し先の電気・ガス・水道の開通手続きをまとめてご相談いただけます。担当者より折り返しお電話にてご連絡いたします。
本フォームの対象範囲は、新居の電気・ガスの開通取次と、水道・インターネットの開始手続きのご案内です。旧居の停止・解約手続きは現在ご契約中の各事業者へ直接ご連絡ください。補助金の申請代行・申請相談は承っておりません。
- 1 ご相談内容
- 2 引越し情報
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