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引越し時の車検証・車庫証明の住所変更

車を持っている人は、引越したら15日以内に車検証(自動車検査証)の住所を変更します(道路運送車両法第12条第1項)。その前提として、多くの地域では新しい駐車場所の車庫証明を警察署で取り直す必要があります(保管場所証明が不要とされている地域もあります)。順番は「警察署 → 運輸支局」で、車庫証明の交付に数日かかるぶん、逆算して動くのがコツです。

2025年(令和7年)4月1日に保管場所標章(車庫証明のステッカー)が廃止されました。ステッカーの交付も貼付義務もなくなり、標章交付手数料も不要になっています。古い情報のまま「リアガラスに貼る」と書いている解説がまだ多いので注意してください。

全体像:期限・順番・罰則

手続き 窓口 期限 守らなかった場合
車庫証明
(保管場所証明の申請)
新住所地を管轄する警察署 車検証の変更登録に必要なので、実質それより前 —(証明がないと変更登録ができない)
車検証
(変更登録)
新住所地の運輸支局
(軽自動車は軽自動車検査協会)
住所変更から15日以内
(道路運送車両法12条1項)
50万円以下の罰金(同法109条)
軽自動車の保管場所の届出
(対象地域のみ)
新住所地を管轄する警察署 保管場所を変更したとき 10万円以下の罰金(車庫法17条3項)
自動車保険(任意・自賠責) 契約中の保険会社・代理店 すみやかに 事故対応・保険料算定で不利になることがある

普通車と軽自動車で、根拠になる法律も罰則額も違います。普通車の車検証(変更登録)は50万円以下の罰金、軽自動車の保管場所の届出は10万円以下の罰金と、まったく別の条文です。混同している解説が多い部分です。

2025年4月1日:保管場所標章(ステッカー)が廃止された

自動車の保管場所の確保等に関する法律の改正により、令和7年4月1日から保管場所標章の制度が廃止されました。変わったのは次の3点です。

  • ステッカーの交付がなくなった:車庫証明を取っても標章は渡されません
  • 表示(貼付)義務がなくなった:リアガラスに貼る必要はありません。すでに貼ってあるものを剥がす義務もありません
  • 標章交付手数料が不要になった:これまで500〜600円程度かかっていた分が不要になりました

出典:広島県警察「令和7年4月1日より保管場所標章が廃止となりました」(2026-07-15確認)。廃止されたのは標章だけで、車庫証明(保管場所証明の申請・届出)そのものは引き続き必要です。「ステッカーがなくなった=車庫証明が要らなくなった」ではありません。手数料の額は都道府県の条例によって異なるため、申請前に管轄の県警サイトで確認してください。

その駐車場は「車庫」として認められるか

見落とされがちですが、車庫証明が下りるには保管場所そのものが法律の要件を満たしている必要があります。自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令第1条は、次の3つをすべて満たすことを求めています。

要件 内容
距離 自動車の使用の本拠の位置(自宅など)から直線距離で2キロメートルを超えないこと
出入りと収容 道路から支障なく出入りでき、車の全体を収容できること(車体がはみ出す区画は不可)
使用権原 その場所を保管場所として使う権利があること(自己所有なら自認書、賃貸なら使用承諾証明書で示す)

出典:e-Gov法令検索「自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令」第1条(2026-07-15確認)。引越し先で駐車場を探すときは、この2キロメートルの条件を先に確認してください。物件から離れた安い月極を契約したあとで「2キロを超えていて車庫証明が取れない」と分かると、駐車場を契約し直すことになります。都市部で自宅に駐車場がない人ほど、物件探しと同時に考えておくべき条件です。

1. 車庫証明を取る(新住所地の警察署)

必要書類

書類 内容・入手先
自動車保管場所証明申請書 警察署の窓口、または都道府県警察のサイトから入手します
保管場所の所在図・配置図 自宅と駐車場の位置関係(所在図)と、駐車スペースの寸法など(配置図)。地図の印刷に手書きを加える形で足ります
保管場所使用権原疎明書面 自宅の敷地に停めるなら「自認書」、月極や賃貸の駐車場なら大家・管理会社が発行する「保管場所使用承諾証明書」
新住所を確認できる書類 住民票の写しなど。運輸支局でも住民票が必要になるので、まとめて複数枚取っておくと二度手間になりません

詰まりやすいのは保管場所使用承諾証明書です。管理会社に依頼してから発行まで1〜2週間かかることがあり、ここが全体の律速になります。引越しの日取りが決まった時点で、先に依頼しておいてください。

手数料と交付までの流れ

  1. 新住所地を管轄する警察署に申請する
    受付は平日のみです。申請手数料は都道府県の条例によって異なり、2,000〜2,300円程度(電子申請のほうが安い都道府県もあります)。標章交付手数料は廃止により不要です。
  2. 警察が保管場所を確認する
    申請した駐車場が実在し、実際に使えるかを確認します。
  3. 数日後に車庫証明が交付される
    交付までの日数は都道府県や時期によって差があります。交付された証明書には有効期間があるため、受け取ったら間を空けずに運輸支局へ行ってください。

2. 車検証の住所を変更する(運輸支局)

必要書類(普通自動車)

書類 内容
申請書(OCRシート第1号様式) 運輸支局の窓口にあります
手数料納付書 変更登録手数料350円分の印紙を貼ります
自動車保管場所証明書(車庫証明) 警察署で取得したもの。有効期間内のものを使います
住民票の写し 新住所が記載されたもの。発行から一定期間内のものが求められます
自動車検査証(車検証) 原本
委任状 本人以外が申請する場合
ナンバープレート(前後2枚) 管轄の運輸支局が変わり、プレートを交換する場合のみ。車両ごと持ち込みます

ナンバープレートを交換するかどうか

プレートの交換が必要になるのは管轄の運輸支局が変わるときです。同じ管轄内での引越しなら、プレートはそのまま使えます。交換する場合はプレート代(数千円)が別途かかり、封印を打ち直すため車両を運輸支局へ持ち込むことになります。書類だけ持って行けば済む手続きではない、という点を見落とすと出直しになります。

手続きが終われば、自動車税の納税通知書は新住所に届くようになります。逆に言えば、住所変更をしないままだと通知が旧住所に届き続け、気づかず未納になると車検が受けられません。放置の実害はここに出ます。

3. 軽自動車の場合

項目 普通自動車 軽自動車
保管場所の手続き 車庫証明(保管場所証明)が必要 一部の地域のみ「保管場所の届出」(証明ではなく届出)
窓口 運輸支局・自動車検査登録事務所 軽自動車検査協会の事務所・支所
手続きの名称 変更登録 自動車検査証記入申請(住所変更)
ナンバープレート 管轄が変わるときに交換 管轄が変わるときに交換

軽自動車の保管場所の届出が必要な地域

軽自動車の保管場所の届出は、全国どこでも必要なわけではありません。おおむね人口10万人以上の市など、都道府県ごとに指定された地域が対象です。自分の新住所が対象かどうかは、都道府県警察のサイトに市区町村名の一覧が掲載されているので、そこで確認するのが確実です。

対象地域なのに届出をしなかった場合や、虚偽の届出をした場合は10万円以下の罰金の対象です(車庫法第17条第3項)。普通車の車庫証明とは制度も罰則も別、という点に注意してください。

費用の総額(目安)

項目 管轄が変わらない場合 管轄が変わる場合
車庫証明の申請手数料 2,000〜2,300円程度(都道府県による) 2,000〜2,300円程度(都道府県による)
保管場所標章の手数料 不要(2025年4月に廃止) 不要(2025年4月に廃止)
変更登録手数料 350円 350円
ナンバープレート代 不要 数千円(図柄入りを選ぶとさらに高くなります)
住民票の発行手数料 数百円 数百円

自分で手続きするなら、合計は3,000円前後(管轄が変わる場合はプレート代を加えて数千円)が目安です。手数料は都道府県や時期によって変わるため、金額は申請前に窓口の案内で確認してください。

平日に窓口へ行けないときの選択肢

方法 費用の目安 向いているケース
行政書士に依頼 代行費用(数千円〜1万円台) 平日に休めない。書類の準備から任せたい
ディーラー・販売店に依頼 代行費用(店舗による) 点検や車検と一緒に頼みたい
同居家族に委任する 無料 家族が平日に動ける。委任状が必要
ワンストップサービス(OSS) 手数料のみ オンラインで済ませたい。対応手続き・地域に条件あり

警察署も運輸支局も平日しか開いていません。ナンバープレートを交換する場合は車両の持ち込みが必要なので、代行に頼むにしても車を預ける段取りが要ります。引越しの繁忙期は運輸支局も混みます。時間に余裕をもって計画してください。

いつ何をするか(引越し前後の段取り)

  1. 物件を決める前:駐車場の場所を確認する
    自宅から直線2キロメートル以内に確保できるかを見ておきます。物件に駐車場が付いていない場合、ここが後から効いてきます。
  2. 引越しの2〜3週間前:使用承諾証明書を依頼する
    月極や賃貸の駐車場なら、管理会社に保管場所使用承諾証明書の発行を依頼します。発行までに1〜2週間かかることがあり、全体の律速になります。
  3. 引越し後すぐ:役所で転入届と住民票の取得
    車庫証明にも変更登録にも新住所の住民票が要ります。まとめて複数枚取っておくと再訪の手間が省けます。
  4. 警察署で車庫証明を申請する
    交付まで数日かかります。運輸支局へ行く日から逆算して申請してください。
  5. 15日以内に運輸支局で車検証の変更登録
    管轄が変わるならナンバープレートの交換もあるため、車で行きます。
  6. あわせて保険を変更する
    任意保険・自賠責の住所や保管場所を変更します。

15日という期限は車検証(変更登録)にかかるものです。車庫証明の交付に数日かかることを考えると、実質的には引越し後1週間以内に警察署へ行くくらいの感覚でないと間に合いません。役所での転入届と同じ週に片づけてしまうのが結局いちばん楽です。

自動車保険の住所変更を忘れない

車検証と車庫証明を直しても、任意保険の住所や車の保管場所を変更していなければ意味がありません。保険料は使用の本拠や保管場所によっても算定されており、届け出ていない状態のまま事故が起きると、対応や支払いをめぐって不利になることがあります。契約中の保険会社のマイページや代理店で、引越し後すみやかに変更してください。自賠責保険についても住所変更の届出ができます。

住所変更を放置したときに実際に困ること

  • 自動車税の納税通知書が届かない:未納のまま放置すると車検を受けられなくなります
  • リコールの通知が届かない:安全に直結する情報を受け取り損ねます
  • 売却・廃車のときに手間が増える:住所のつながりを示す追加書類(住民票の除票など)が必要になります
  • 法律上は罰金の対象:普通車の変更登録は50万円以下の罰金(道路運送車両法109条)、軽自動車の保管場所の届出は10万円以下の罰金(車庫法17条3項)

よくある質問

車検証の住所変更はいつまでにすればいい?

住所を変更した日から15日以内です(道路運送車両法第12条第1項)。申請をしなかった場合は50万円以下の罰金の対象になります(同法第109条)。車庫証明の取得に数日かかるため、引越したらまず警察署へ、という順で早めに動いてください。

車庫証明と車検証、どちらを先にする?

車庫証明が先です。車検証の変更登録には車庫証明が必要書類になるため、①新住所地を管轄する警察署で車庫証明を取得 →(数日待つ)→ ②運輸支局で車検証の変更登録、という順番になります。車庫証明は申請から交付まで数日かかるうえ、交付された証明書にも有効期間があるため、運輸支局へ行く日程から逆算して申請してください。

車庫証明のステッカー(保管場所標章)はどうなった?

2025年(令和7年)4月1日に保管場所標章の制度が廃止されました。ステッカーの交付も、リアガラスへの表示義務もなくなり、標章交付手数料の納付も不要になっています。すでに貼ってあるステッカーを剥がす義務はありません。ただし車庫証明(保管場所証明の申請・届出)そのものは引き続き必要です。

手数料はいくらかかる?

車庫証明の申請手数料は都道府県の条例で定められており、2,000〜2,300円程度です(電子申請のほうが安い都道府県もあります)。2025年4月の標章廃止で、以前かかっていた標章交付手数料(500〜600円程度)は不要になりました。車検証の変更登録は350円。管轄が変わってナンバープレートを交換する場合は、別途プレート代が数千円かかります。

軽自動車も車庫証明が必要?

軽自動車は「証明」ではなく「届出」で、しかも必要なのは一部の地域だけです。おおむね人口10万人以上の市などが対象で、対象地域に住むなら新住所地の警察署へ保管場所の届出をします。届出をしなかったり虚偽の届出をしたりすると10万円以下の罰金の対象です(車庫法第17条第3項)。対象かどうかは都道府県警察のサイトに市区町村の一覧が載っています。

同一都道府県内の引越しでも手続きは必要?

必要です。駐車場所が変われば車庫証明を取り直し、車検証の住所も変更します。ナンバープレートの交換が必要になるのは管轄の運輸支局が変わる場合で、同じ管轄内であればプレートはそのまま使えます。

自動車保険の住所変更も必要?

必要です。任意保険は住所や車の使用の本拠・保管場所が契約内容に含まれており、変更を伝えていないと、事故の際の対応や保険料の算定で不利になることがあります。契約中の保険会社のマイページや代理店で、引越し後すみやかに変更してください。自賠責保険も住所変更の届出ができます。

平日に窓口へ行けない場合は?

行政書士やディーラーに代理申請を依頼する方法(数千円〜1万円台の代行費用が目安)、同居家族に委任状を渡して代わりに行ってもらう方法、自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)でオンライン申請する方法があります。OSSは対応する手続き・地域に条件があるため、事前に確認してください。

住所変更を放置するとどうなる?

法律上は50万円以下の罰金の対象になりますが、実害として先に来るのは、自動車税の納税通知書やリコールの案内が旧住所に届いてしまうことです。納税通知が届かず未納のまま放置すると、車検を受けられなくなります。売却や廃車のときにも、住所のつながりを証明する追加書類が必要になり手間が増えます。

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